
息が長く続かない、息が安定しない、息が十分に吸えないといった声を多く耳にします。
その原因の多くは呼吸方法にあります。
歌の発声や、吹奏楽器の演奏には腹式呼吸という呼吸法を用います。

呼吸法には胸式呼吸と腹式呼吸があります。まずはその違いを知りましょう。
胸式呼吸
走ったあとなどに息が荒くなっている時の呼吸、それが胸式呼吸です。
胸式呼吸は一気にたくさんの酸素を吸い込むので、浅い呼吸になります。
楽器を吹こうとすると、音を長く伸ばせません。
伸ばそうと無理をすると肺に負担をかけてしまい痛めてしまうこともあります。
胸や首に力が入ってしまいリラックスした状態を保ちにくくなります。
結果、息が続かなくなります。
腹式呼吸
横隔膜を上下させる呼吸法です。
横隔膜を下げることで肺が広がり深くて安定した呼吸になります。
けれど人は意識的に横隔膜をコントロールすることはできません。
あくまでもイメージとして横隔膜を下げるという感覚です。
呼吸法
仰向けに寝ている時の呼吸は、ほとんどの方が腹式呼吸をしています。
このときお腹に手をあててみると、お腹が上下に動いているのがわかります。
腹式呼吸の基本は、鼻から吸って、口から吐きます。
鼻から吸うときにお腹を膨らませて、口で吐くときにお腹をへこませます。
トレーニングに慣れるまでは、両手を両わき腹にあてて、お腹を強く絞る感じにします。
そして息を吸い、両手が息によって押し返されるかどうかを確認てみましょう。
しっかり押し返されれば、横隔膜がちゃんと下がって腹式呼吸ができています。
腹式呼吸のトレーニング
〇4拍子でメトロノームを鳴らします テンポは♩=60位がよいでしょう。
〇両手を両わき腹にあてておきます(腹式呼吸が出来ているか確認するため)
〇1拍目~3拍目にかけて息を全て吐ききってスタートです
〇4拍目に鼻から息を吸います
〇この時、手をしっかり押し返しているかを確認してください
〇次に1拍目~4拍目にかけて、4拍分に渡ってお腹をへこませながら、ゆっくり口から息を吐きります
回数は1日5回くらいから始め、慣れたら10~20回を目安にトレーニングしましょう。
あくまでもその日の体調に合わせて、無理なく楽しみながら行うようにしてください。