
オカリナという楽器のピッチ(音程)は、『運指』だけでは保てません。
吹き口から吹き込む『息のスピード』と『運指』が連携して、楽器のピッチ(音程)を形成します。
ここではちょっとわかりにくい『息のスピード』について解説します。

運指表に従い、下のA(ラ)から順に指穴を開けていくと、音階が吹けるはず…。
けれどオカリナは閉管楽器という構造のため、ピッチ(音程)によって必要とする息の強さは一定ではありません。
ピッチ(音程)が上がるにしたがってだんだん息のスピードを上げていかないと、正確な音階にはなりません。
バースデーケーキに立てたキャンドルを吹き消すシーンを思い描いてください。
○息のスピード
遅い息=ロウソクの炎が微かに揺れるイメージの息=暖かい息
To…と腹筋で息の量を一定に保ちながらゆっくりと送り込むように。
速い息=ロウソクの炎を一気に吹き消すイメージの息=冷たい息
Tu…と腹筋を使って息を勢いよく吹き付けるように。
○息のスピードと音階
低音(ラ)..............中音(ソ)............高音(ファ)
遅い息→→→→→→→→→→→→→速い息
どのくらいずつ強めていったら良いか?
それは、楽器によって異なりますが、この息のスピードコントロールをどれだけ上手くできるかが、演奏技術の大半を占めているといっても過言ではありません。
息のスピードをコントロールするためには、しっかりと息が吸えている(蓄えられている)ことが必要です。
そのためにも腹筋を使った腹式呼吸が重要になります。
〇吹いてみましょう
チューニングメーターを用意してください。
お持ちでない方は楽器店で購入するか、スマートフォンをお持ちでしたら、下記の無料アプリが便利です。

チューニングメーターで音程を確認しながら行いましょう。
1. 元音(G=ソ)を2秒ほど鳴らします。
ロウソクの炎を吹き消すイメージで、息のスピードをあげてみてください。
ピッチ(音程)が上昇(高くなる)することを確認してください。
2. 元音(G=ソ)を2秒ほど鳴らします。
ロウソクの炎をなるべく揺らさないようにするイメージで、息のスピードを落としてみてください。
ピッチ(音程)が下がる(低くなる)ことを確認してください。